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緊急時は自治体の避難情報に従ってください。
太陽光パネルがあれば、停電しても電気が使える。そう思っている方は多いです。実は、そのままでは使えません。「自立運転」への切り替えが必要です。この記事では、切り替えの手順と、つないではいけない機器、そして3つの限界を見ていきます。備えておけば大丈夫です。
停電するとパネルは自動で止まる

まず仕組みからです。停電が起きると、パワーコンディショナ(発電した電気を家庭用に変える機器。略してパワコン)は安全のため自動で止まります。復旧作業をする作業員の感電を防ぐためです。この状態では、晴れていても家の電気は使えません。ここが、意外と知られていないところです。
そこで使うのが「自立運転モード」です。手動で切り替えると、日射がある時間帯だけ、専用のコンセントから電気を取り出せます。資源エネルギー庁も、停電への備えとしてこの機能の事前確認を呼びかけています。
参考:資源エネルギー庁「停電時の住宅用太陽光発電パネルの自立運転機能について」
自立運転モードへの切り替え手順
切り替えの流れは、太陽光発電協会(JPEA)が公開している手順が基本になります。下の表にまとめました。あわてず1つずつ進めれば大丈夫です。
| 順番 | やること |
| 1 | 自立運転用コンセントの位置を確認する |
| 2 | 取扱説明書で「自立運転モード」への切り替え方法を確認する |
| 3 | 主電源ブレーカーをオフにする |
| 4 | 太陽光発電ブレーカーをオフにする |
| 5 | 「自立運転モード」に切り替える |
| 6 | 自立運転用コンセントに必要な機器をつないで使う |
| 7 | 停電が復旧したら、自立運転モードを解除してブレーカーを元に戻す |
| 8 | 連系運転(通常)モードに戻っているか確認する |
操作の細かい手順や、復旧時にブレーカーを戻す順番は機種によって違います。お使いのパワコンの取扱説明書で、停電が起きる前に確認しておきましょう。自立運転用コンセントは、パワコン本体の側面にある場合と、部屋の中や廊下の足もとに別に設置されている場合があります。「非常用コンセント」のラベルが貼られていたり、黒や赤など色が違うこともあります。場所が分からなければ、販売店や工事店に聞いておくと安心です。停電前の備え全般は台風の停電に備えるもあわせてどうぞ。
参考:JPEA 太陽光発電協会「停電時でも電気が使えます」
つないではいけない機器・動きにくい機器
切り替えの前に、必ず知っておきたい注意があります。メーカー各社が共通して呼びかけている内容を、3つに分けて表にしました。
| 区分 | 機器の例 | 理由 |
| つないではいけない | 人命に関わる医療機器/灯油やガスを使う暖房機器 | 天候で発電が変動し、途中で電源が切れるおそれがあるため |
| 動かない場合がある | 冷蔵庫・掃除機・洗濯機・エアコンなどモーターで動く機器 | 動き出すときに大きな電流が流れるため |
| 途中で切れると困る | デスクトップパソコン・電子レンジなど | 急な停止でデータや食品を傷めるおそれがあるため |
在宅で医療機器を使っているご家庭は、自立運転を当てにせず、あらかじめメーカーと主治医に停電時の対応を確認しておいてください。ここだけは省略しないでほしいところです。
参考:シャープ「自立運転モードへの切り替え方法」(サンビスタ公式サポート)
ここが限界|3つの制約
便利な機能ですが、過信は禁物です。主な制約は次の3つです。
1. 使える電力はパワコンの定格出力まで(多くの機種で最大1500W)。家庭用コンセントが100V・15Aまで=1500Wという仕様に合わせた設計です。シャープの例では、太陽光専用のパワコンは1.5kVA(約1500W)、蓄電池と連携するハイブリッド型には2.0kVAの機種もあります。上限は機種で違うため、取扱説明書の「定格出力(自立運転時)」欄で確認しておきましょう。
2. 使えるのは日中の発電している時間帯だけ。夜間や雨の日は発電せず使えません。日が沈むと自動で止まり、翌朝も自動では再開しないため、もう一度手動で始める必要があります。
3. 電気は専用コンセントからのみ。家じゅうの照明やコンセントが復活するわけではありません。また、天候で発電量が上下するため、最大電力より小さい機器でも動かないことがあります。
参考:シャープ「自立運転モードへの切り替え方法」/JPEA 太陽光発電協会
1500Wで何が動く?(消費電力の目安)
1500Wという枠が、どのくらいかを見てみます。下は一般的な目安です。実際の数値は機種で変わるため、お手持ちの家電本体の表示(W数)で必ず確認してください。
| 家電(一例) | 消費電力の目安 |
| スマホ充電 | 約10〜20W |
| 扇風機 | 約30〜50W |
| 液晶テレビ | 約100〜200W |
| 電子レンジ | 約1000〜1400W |
表:一般的な家電の消費電力の目安(機種により変動。実機の表示で確認を)
電子レンジのように大きな家電は、単体で上限近くになります。同時に複数はつなげません。しかも急に止まると食品を傷めるおそれがあります。停電時は、スマホや扇風機、情報収集用のラジオなど、命綱になる小さな機器の充電を優先しましょう。容量の考え方はポータブル電源の容量の選び方も参考になります。
復旧したら「連系運転」に戻すのを忘れずに
見落としやすいのが、停電が直ったあとです。自立運転モードのままにしておくと、余った電気を売電できません。停電が復旧したら、自立運転を解除し、ブレーカーを元に戻して、通常の連系運転モードに戻っているかを確認しましょう。戻す順番は機種で異なるため、ここも取扱説明書の指示に従ってください。
参考:シャープ「自立運転モードへの切り替え方法」
停電が来る前の5分チェックリスト
自立運転は「事前に知っているか」で差がつく機能です。晴れた休日に5分だけ、次の4つを確認しておきましょう。
| チェック | 確認すること |
| □ | 自立運転用コンセントの場所(ラベル・色を実物で確認) |
| □ | 取扱説明書の保管場所と、切り替え操作のページ |
| □ | 自立運転時の定格出力(何Wまで使えるか) |
| □ | 延長コード(専用コンセントから使いたい場所まで届くか) |
台風の接近が分かっている日の前日に、一度この表を見返すだけでも違います。あわてなくて大丈夫です。
夜間や雨の日の停電に備えるなら、持ち運べるポータブル電源という選択肢もあります → EcoFlow ポータブル電源(公式)を見てみる
まとめ|晴れた昼の「もう一つの電源」
太陽光の自立運転は、晴れた日中に使える心強い備えです。ただし夜と雨には弱く、使える電力もパワコンの定格までという限界があります。ここを補うのが蓄電池やポータブル電源です。両方あると、停電の時間帯を選ばず対応しやすくなります。停電時の食料の守り方は停電したら冷蔵庫は何時間もつ?もご覧ください。
よくある質問
Q1. 夜や雨の日も自立運転で電気を使えますか?
A. 太陽光発電だけの場合は使えません。発電している日中だけです。蓄電池を併設していれば、ためた電気で夜間も専用コンセントから使えます(残量がなくなると停止します)。
Q2. 停電中、自立運転で冷蔵庫を動かせますか?
A. おすすめできません。冷蔵庫などモーターで動く機器は、動き出しに大きな電流が流れ、動かない場合があるとメーカーが案内しています。天候で電源が途切れ、食品を傷めるおそれもあります。
Q3. 停電が直ったあとに、やることはありますか?
A. あります。自立運転モードを解除し、通常の連系運転モードに戻してください。戻し忘れると、余った電気を売電できない状態が続きます。戻す手順は機種ごとの取扱説明書で確認しましょう。


