夏のエアコンは「つけっぱなし」と「こまめに消す」、どちらが電気代を抑えられるのか。結論から言うと、どちらか一方が常に正解ではありません。外出する時間の長さと時間帯で使い分けるのが、いちばんお得です。ここでは、エアコンメーカーの検証データと国の公式試算をもとに、判断の目安を見ていきます。あわてなくて大丈夫です。
まず大切なこと:電気代の節約より、熱中症の予防が優先です。暑さで体調がつらいときは、迷わず冷房を使ってください。
結論:30分を目安に「つけっぱなし」と「消す」を使い分ける

エアコンは、運転を始めた直後にいちばん電気を使います。設定温度と室温の差を一気に縮めるためです。自転車のこぎ始めに力がいるのと似ています。
そのため、短い外出ならつけたまま、長い外出なら消す、という切り分けが基本になります。ダイキン工業の検証では、日中の外出が35分までなら、つけっぱなしの方が電気代は安いという結果でした。ここだけ押さえておけば大丈夫です。
1日つけっぱなしは35円高かった:ダイキンの検証
ダイキン工業が実際の部屋で比べた検証があります。外出時間を考えずに1日つけっぱなしにした場合と、外出時にこまめに消した場合の比較です。検証時点の単価は27円/kWhで計算されていますが、2026年の目安単価(後述)で計算し直すと差はさらに広がります。
| 運転方法 | 1日の消費電力量 | 電気代(検証時27円/kWh) | 電気代(2026年目安31円/kWh) |
|---|---|---|---|
| 1日つけっぱなし | 5.7kWh | 153.9円 | 176.7円 |
| 外出時はこまめに消す | 4.4kWh | 118.8円 | 136.4円 |
| 差 | 1.3kWh | 35.1円 | 40.3円 |
参考:ダイキン工業「mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証」(2016年8月・大阪/冷房26℃設定・4.0kW機)。「2026年目安31円/kWh」は公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会が示す目安単価(消費電力量に31円を掛けて試算・当サイトによる概算)。
差がついた主な理由は、11時台の買い物や夕方の外食で、長めに運転を止めた時間帯でした。つまり、長い外出のときまでつけたままにすると、割高になりやすいということです。単価が上がった今も、「短い外出はつけたまま、長い外出は消す」という基本の考え方自体は変わりません。
「つけっぱなしがお得」な時間の目安
同じ検証から、何分までの外出ならつけっぱなしが安いのか、時間帯ごとの目安が示されています。
| 時間帯 | つけっぱなしがお得な外出時間の目安 | 使い分けの考え方 |
|---|---|---|
| 日中(9:00〜18:00) | 35分まで | 外が暑く、立ち上げの電気を多く使うため長め |
| 夜(18:00〜23:00) | 18分まで | 外気温が下がり、消しても再稼働の負担が小さいため短め |
参考:ダイキン工業「mission5-1 夏のエアコンつけっぱなし検証」(設定温度26℃時の目安)
日中は外が暑く、消してから入れ直すと立ち上げに電気を多く使います。だからつけたままの方が有利になりやすいのです。夜は外気温が下がるぶん、消しても入れ直しの負担が小さく、こまめに消す方が有利に傾きます。迷いやすいところですが、「昼は長め、夜は短め」と覚えておくと使いやすいです。
設定温度を1℃上げると年約940円:国の試算
つけ方の工夫と合わせて効くのが、設定温度の見直しです。資源エネルギー庁の試算では、外気温31℃のときに冷房の設定温度を27℃から1℃上げると、年間で電気30.24kWh、約940円の節約になります(1日9時間使用・エアコン2.2kWの前提)。
あわせて、冷房を1日1時間減らすと年間約580円、フィルターを清掃すると年間約990円の節約という目安も示されています。どれも小さな額に見えて、積み重ねると差が出ます。
ただし温度を上げすぎるのは禁物です。国が目安とするのは「室温28℃」であり、これは設定温度ではなく部屋の温度の目安です。無理な我慢はせず、扇風機の併用やレースカーテンでの日差しカットを組み合わせて、体調を最優先に調整してください。
参考:資源エネルギー庁「無理のない省エネ節約(空調)」/環境省の室温28℃の目安。節約額は前提条件(電力単価等)による概算で、地域・住まいで変わります。
電気代の単価は上がっている:試算前提を確認する
ここまでの検証・試算は、公表当時の単価をもとにしています。単価そのものが上がっていることは、意外に思うかもしれません。
| 時点 | 電気の目安単価 | 出典 |
|---|---|---|
| ダイキン検証時(2016年前後) | 約27円/kWh | 検証記事の換算値 |
| 2022年7月改定以降 | 31円/kWh | 公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会 |
| ご家庭の実際の単価 | 契約プランによる(お住まいの電力会社エリアで確認) | 各電力会社の検針票・料金プランページ |
この記事の「35.1円」「940円」といった金額は、あくまで目安単価での試算です。実際の電気代は、契約している電力会社・プランや、お住まいの地域(電力会社エリア)によって変わります。正確な金額を知りたい場合は、検針票に記載された単価で計算し直してみてください。
外出時間・時間帯別の目安早見表
「結局、うちの場合はどうすればいいの?」という方向けに、外出時間と時間帯の組み合わせで目安をまとめました。
| 外出のタイミング | 外出時間 | おすすめの対応 |
|---|---|---|
| 日中の買い物・ゴミ出し | 〜35分 | つけっぱなしでOK |
| 日中の通院・外食 | 1時間以上 | 消す(またはタイマー活用) |
| 夜の買い物・散歩 | 〜18分 | つけっぱなしでOK |
| 就寝前の外出・入浴中 | 18分以上 | 消す方が有利になりやすい |
ここだけ押さえておけば大丈夫です。細かい分単位で神経質になる必要はありません。
我が家でどうする?:迷わないための手順
細かい分単位で管理する必要はありません。次の3つだけ意識すれば十分です。
1.短い外出(ゴミ出し・近所の買い物)は、そのままつけておく。日中の30分前後なら、消すより有利になりやすいです。
2.1時間を超える外出や就寝時は、消すかタイマーを使う。長く止めるほど、消した方が安くなります。
3.月1〜2回フィルターを掃除し、設定温度は下げすぎない。これだけで効き目が変わります。
電気代そのものを下げたい方は、契約プランの見直しも効果があります。あわせて読みたい:電気代が高い家の共通点3つと今日からの対策、電気代の補助金はいつまで?2026年夏7〜9月の値引き額。
まとめ
「つけっぱなし」か「こまめに消す」かは、外出時間と時間帯で判断するのが基本です。日中は35分、夜は18分を目安に、それより短ければつけたまま、長ければ消す。設定温度を1℃上げるだけでも年間約940円の節約効果があります。単価が上がった今は、検証当時より差額そのものは大きくなっている点も覚えておくと、判断がぶれにくくなります。
よくある質問
Q.結局、24時間つけっぱなしが一番お得ですか?
A.いいえ、そうとは限りません。ダイキンの検証では、長い外出まで含めて1日つけっぱなしにすると、こまめに消した場合より割高でした。外出の長さ次第です。
Q.この35分・18分という数字はどこでも同じですか?
A.あくまで一つの実験条件での目安です。外気温・日差し・部屋の断熱・機種で変わります。数字を厳密に守るより、「昼は長め、夜は短め」の考え方を目安にしてください。
Q.電気代の単価が上がったら、この目安時間も変わりますか?
A.単価が上がっても、35分・18分という時間の目安そのものは大きく変わりません。これは消費電力量(kWh)の比較で決まる目安だからです。ただし差額の金額は単価に応じて大きくなります。正確な金額は検針票の単価で計算し直してください。


