エアコンの室外機に日よけをつけると電気代が下がる、という話をよく聞きます。エアコン室外機の日よけは電気代に本当に効くのでしょうか。結論から言うと、正しくつければ効果があります。ただしやり方を間違えると逆に電気代が上がることもあります。ここでは資源エネルギー庁・ダイキン工業・省エネ推進協議会の公式情報をもとに、正しい日よけの作り方と、やってはいけない設置例を見ていきます。
室外機の日よけで電気代は下がるのか

エアコンは室内の熱を室外機から外へ逃がすことで部屋を涼しくしています。室外機のまわりの温度が高いと熱を逃がしにくくなり、よけいな電力を使ってしまいます。だから日陰を作ってあげることに意味があるんです。
どのくらい下がるかは、設置場所・機種・使用時間などの条件で大きく変わるので「何%下がる」と一律には言えません。ただし目安になる数字はあります。一般社団法人 省エネ推進協議会の報告では、遮光率85%の遮光ネットで室外機を囲んで日陰を作ったところ、約10%の省エネ効果が確認されたとされています。資源エネルギー庁の省エネポータルでも「冷暖房の効果が下がるので室外機のまわりに物を置かない」「日差しをカットする」という考え方が示されており、方向性は一致しています。
参考:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト「空調」、ダイキン工業「お部屋の外の室外機もチェックしよう」
吹き出し口をふさぐと逆効果になる
ここが一番まちがえやすいところです。日よけのつもりで室外機を板やカバーですっぽり囲んでしまうと、逃がしたはずの熱をまた吸い込んでしまい、冷房の効きが悪くなります。
ダイキン工業の公式サイトでも、室外機の吹き出し口の前に物を置いたりカバーでおおったりすると「熱がにげられなくなってしまう」と明記されています。室外機用のカバーを使っている家庭は、エアコンを使う間は外しておくことがすすめられています。
日よけを作るときのポイントは、室外機を覆うのではなく「少し離れた場所に日陰を作る」ことです。目安として、室外機から1mほど離れた場所に、すだれを立てかけたり植木を置いたりして日差しをさえぎります。日よけと室外機のあいだに10cm以上のすき間をあけ、風通しをふさがないようにしましょう。
すだれ・遮光ネット・落葉樹、どれがいい?
手軽さで選ぶならすだれや遮光ネットです。ホームセンターで買ってきて、室外機から少し離した位置に立てかけるだけで作れます。風で倒れないよう、レンガや支柱で固定すると安心です。
庭に余裕があるなら、ダイキン工業は室外機の日よけに落葉樹をすすめています。夏は葉が茂って日陰を作り、冬は葉が落ちて日当たりを妨げません。冬の暖房時はむしろ室外機に日が当たるほうが効率がよいため、これは理にかなっています。夏と冬で日よけを付け外しする手間を省けるのが落葉樹のメリットです。ただし成長には年単位の時間がかかるので、今夏すぐの対策にはなりません。3つの方法を、費用・手間・効果の面で比べてみましょう。
| 方法 | 費用目安 | 手間 | 効果の目安・注意点 |
| すだれ | 1,000〜2,000円程度 | 低い(立てかけるだけ) | 今日から始められる。風で倒れないよう固定が必要 |
| 遮光ネット(遮光率85%目安) | 1,000〜3,000円程度 | 低い(支柱に張る) | 約10%の省エネ効果の報告あり(省エネ推進協議会)。吹き出し口はふさがない |
| 落葉樹 | 数千〜数万円(苗木代) | 高い(植える・数年かけて育てる) | 夏は日陰・冬は日当たりを両立。効果が出るまで年単位の時間がかかる |
※費用は一般的な目安であり、購入店舗や地域、樹種によって差があります。省エネ効果は出典の条件下での数値で、すべての家庭に同じ数値が当てはまるわけではありません。
日よけ以外にもできる室外機まわりの工夫
日よけとあわせて、次のことも確認しておきましょう。難しいことではありません。
①室外機の前を広くあける。物置代わりに荷物を積んでいませんか。吹き出し口の前は空けておきます。
②フィルターの掃除も忘れずに。室内機のフィルターが目詰まりしていると、こちらも効率低下の原因になります。月1〜2回の掃除で年間約990円の節約になるという試算が資源エネルギー庁から出ています(エアコン2.2kW・フィルター清掃前後比較、年間31.95kWh相当)。
③室外機の周りに雑草や落ち葉をためない。吸い込み口をふさぐと同じことが起きます。
| 対策 | 効果の目安 | 出典 |
| 室外機のまわりを日陰にする・物を置かない | 冷房効率の低下を防ぐ(条件により変動。遮光ネットで約10%の報告あり) | 資源エネルギー庁・省エネ推進協議会 |
| フィルター清掃(月1〜2回) | 年間約990円・電気31.95kWhの節約(エアコン2.2kW・清掃前後比較) | 資源エネルギー庁 |
※フィルター清掃の金額は、年間31.95kWhの削減量に電気料金の目安単価31円/kWhを掛けた試算です(31.95kWh×31円≒990円)。上記は出典の公表条件における試算であり、すべての家庭に同じ数値が当てはまるわけではありません。地域や住まいの環境によっても差があります。
今日からできる室外機まわりチェックリスト
これから紹介する項目を、休みの日に10分だけ見て回るつもりで確認してみてください。あわてなくて大丈夫です。1つずつで十分です。
| チェック項目 | OKの目安 |
| 吹き出し口の前に物がないか | 1m四方くらい空いている |
| 室外機を覆うカバーをつけっぱなしにしていないか | 冷房使用中は外してある |
| 日よけと室外機のすき間 | 10cm以上あいている |
| 周りに雑草・落ち葉がたまっていないか | 吸い込み口がふさがれていない |
| 室内機のフィルター掃除 | 月1〜2回できている |
熱中症予防も忘れずに
節電を意識するあまり、冷房を我慢するのは禁物です。室外機の日よけは「同じ設定温度でより効率よく冷やす」ための工夫であって、我慢を前提にした対策ではありません。室温や湿度が高い日は、無理せず冷房を使いましょう。
よくある質問
Q. 室外機カバーの上から日よけを重ねてもいい?
基本的におすすめしません。カバーで覆ったうえにさらに日よけを重ねると、熱がこもりやすくなります。冷房を使う時期はカバーを外し、少し離れた場所に日よけを設置する形にしましょう。
Q. 賃貸マンションでも遮光ネットを設置できる?
ベランダの室外機であれば、置き型の遮光ネットや支柱式のすだれなど、壁や外壁に穴を開けない方法を選べば設置できることが多いです。管理規約で外観に関する制限がある場合もあるので、事前に管理会社へ確認しておくと安心です。
Q. 遮光ネットとすだれ、どちらを選べばいい?
どちらも今日から始められる手軽な方法で、効果の考え方は同じです。見た目や耐久性の好みで選んで問題ありません。風で倒れないよう固定することの方が、素材選びより大切です。
まとめ
エアコン室外機の日よけは、正しく設置すれば電気代の節約につながります。ポイントは「室外機を覆わず、少し離れた場所に日陰を作る」こと。すだれや遮光ネットなら今日からでも始められます。あわせてフィルター掃除や室外機まわりの片づけもしておくと、より効率よく夏を乗り切れます。


