火災保険の住宅修理トラブル|自己負担0円の勧誘に注意

災害が起きてしまったら

緊急時は自治体の避難情報に従ってください。

台風や大雪のあと、「保険金で自己負担なく住宅修理ができます」という訪問や電話が増えています。火災保険を狙ったこの手口は、国民生活センターと日本損害保険協会が繰り返し注意を呼びかけている定番トラブルです。公表事例と正しい請求の流れを見ていきます。

こんな勧誘に注意|公表されている事例

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イメージ(AI生成)

日本損害保険協会がまとめたトラブル事例を紹介します。契約や見積もりを急がず、まず落ち着いて内容を確認することが大切です。

事例1|屋根修理の訪問勧誘

「災害を調査している」と名乗る業者から電話があり、自宅を訪問された。「大雪の影響で屋根の樋がずれている。費用は保険会社から出るので自己負担はない」と説明され、その場で契約書に印鑑を押した。契約書は業者が持ち帰ってしまい手元になく、「当社で工事をしなかった場合は保険金の4割を支払ってもらう」とも言われて不安になっている(2018年受付・80歳代男性・関東地方)。

事例2|保険金請求代行のトラブル

インターネットで見つけた「保険金請求のお手伝いをします」というサイトに連絡したところ、業者が自宅を訪問。「完全成功報酬型で、保険金が支払われたときのみ保険金の30%を請求する」と説明を受けて契約した。実際に保険金100万円が下りたが、そのうち30万円が報酬として引かれ、修理業者に依頼すると「70万円では直せない」と言われてしまった(2020年受付・40歳代男性・関東地方)。

参考:日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」掲載事例

手口の共通点をチェック

ここだけ押さえておけば大丈夫です。共通点は、保険会社に連絡する前に契約を急がせる点にあります。

特徴 なぜ危険か
「保険金で自己負担0円」を強調する 実際に保険金がいくら下りるかは保険会社の審査次第。業者が保証できることではない
その場で契約書に署名させる クーリングオフの期間内に気づけず、あとで解約しづらくなる
「保険会社との交渉はすべて業者が行う」と言う 保険金の請求は契約者本人が行うのが原則。代行には手数料が発生する
契約書や見積書を業者が持ち帰る 手元に記録が残らず、あとで内容を確認できない
「工事しないなら保険金の一部を支払え」と言う 保険金の請求と工事契約は本来別のもの。違約金を求められても、支払う前に消費者ホットライン188に相談を

正しい保険金請求の流れ

迷ったときの答えはシンプルです。工事を業者と契約するに、加入している損害保険会社か損害保険代理店へ連絡することです。

自然災害による住宅の損害は、多くの場合、加入している火災保険や地震保険で補償されます。ただし経年劣化やさびなど自然の消耗による損害は対象外です。この判断も含めて、保険会社が調査のうえ支払いの可否を決めます。

保険金の請求手続きは、契約者本人が保険会社に連絡すれば、多くの場合は費用をかけずに進められます。「申請サポート」をうたう業者に高い手数料を払う前に、まず契約している保険会社・代理店に相談しましょう。

参考:日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」/消費者庁「『火災保険を使って実質的に無料で修理ができる』などとうたい、火災保険金を利用した修理工事契約を締結させる事業者に関する注意喚起」(2024年6月27日)

勧誘を断るときのセリフ例

訪問や電話を受けたら、次のように答えれば十分です。無理に理由を説明する必要はありません。

「まず契約している保険会社に確認してから決めます。今日は契約しません」

その場で契約書に署名しないことが最も重要です。

「保険金の請求は自分でやります。代行は必要ありません」

保険金請求代行そのものが違法というわけではありませんが、手数料が高額なケースが目立ちます。

「一度持ち帰って家族に相談します」

その場で判断を求められても、いったん保留にする権利があります。

すでに契約してしまい不安なとき、契約解除を迫られて困っているときは、一人で判断せず、消費者ホットライン188(いやや)に相談してください。保険金を狙った勧誘や申請サポート業者とのトラブルは、日本損害保険協会の「保険金に関する災害便乗商法相談ダイヤル」(0120-309-444)でも相談できます。損害保険の契約内容そのものに関する相談は、そんぽADRセンター(03-4332-5241)が窓口です。

よくある質問

Q. 保険金請求代行業者を使うこと自体はいけないのですか?

A. 代行サービスの利用自体が禁止されているわけではありません。ただし高額な成功報酬や、契約を急がせる勧誘には注意が必要です。契約前に必ず保険会社にも直接確認しましょう。

Q. 訪問業者に「保険会社の指定業者」と言われました。本当でしょうか?

A. 加入している保険会社・代理店に直接電話をかけて確認してください。訪問してきた業者の名刺や案内だけで真偽を判断しないことが大切です。

まとめ

「保険金で自己負担0円」という言葉が出たら、契約する前に立ち止まる合図です。工事の契約を結ぶ前に、必ず加入している損害保険会社か代理店へ連絡しましょう。すでにトラブルになっている場合や、判断に迷う場合は、消費者ホットライン188(いやや)へ相談してください。

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