コンセントの感電・やけどを防ぐ|子どもがいる家の3つの対策

家族を守る見守り

子どもがコンセントに金属製のヘアピンや鍵を差し込み、感電ややけどを負う事故が報告されています。

国民生活センターは2026年10月21日、医療機関ネットワークに寄せられた事例をもとに注意を呼びかけました。この記事では、事故の原因と、家庭でできる3つの対策、点検チェックリストを見ていきます。

※本記事は2026年10月時点の情報に基づいています。

コンセントの感電・やけど事故、何が起きているのか

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イメージ(AI生成)

うちの子は大丈夫、と思っていても、事故は身近な場所で起きています。

国民生活センターの医療機関ネットワーク事業では、「2021年度以降、15歳以下の子どもの感電や熱傷に関する事例が38件寄せられており、特に9歳以下の子どもで多くみられました」。年齢別では4歳が8件と最多で、9歳以下が全体の9割近くを占めています。

対象期間は2021年4月から2026年7月末までに医療機関ネットワークへ伝送された事例です。医療機関ネットワークは参画医療機関を受診した事故情報を集める事業なので、全国で起きた事故の総数ではありません。その点は数字を見るときに気をつけたいところです。

参考:国民生活センター(2026年10月21日公表)、同・報告書本文

事故原因の約7割はコンセントへの異物挿入

事故の原因でもっとも多いのは、コンセントの差込口に直接、金属製の異物を入れてしまうケースです。

報告書は「コンセントの差込口に直接、針金やヘアピン等を挿入して受傷した事例が約70%を占めていました」と分析しています。次いで、コンセントに接続された電源コードの破損部を介した受傷、充電ケーブルをコンセントに差し込む際の受傷が、それぞれ4件報告されました。モバイルバッテリー発火に注意|夏のNGな使い方と対処法もあわせて確認しておくと安心です。

原因 件数
コンセントの差込口に直接、針金やヘアピン等を挿入 28件
コンセントに接続された電源コード等の破損部を介して 4件
充電ケーブル等をコンセントに差し込む際に 4件
家電製品の破損により、露出した電極に触れて 2件
合計(2021年4月〜2026年7月末伝送分) 38件

参考:国民生活センター 報告書本文

感電によるけがは「熱傷」だけではない

感電というと、やけどを思い浮かべる方が多いかもしれません。ここ、意外と見落としやすいところです。

報告書は「感電により生じる電撃傷は、皮膚の熱傷だけではなく、筋肉・神経・心臓などの深部組織に損傷を与えることがあります」と説明しています。さらに「特に心臓に影響した場合には不整脈が生じることがあり、重篤な場合には心停止につながる可能性もあります」とも述べています。

治療の必要性をみると、「通院治療が必要な事例が14件(37%)で最も多く、入院を要した事例も8件(21%)ありました」。熱傷面積が1%未満でも重い症状になった事例があり、見た目の小さな熱傷でも安心はできません。

参考:国民生活センター 報告書本文

見守っていてもコンセントの事故は起きている|アンケート調査から

ちゃんと見ていたのに、という保護者は少なくありません。

国民生活センターは、9歳以下の子どもを養育している(または過去3年以内に養育していた)保護者のうち、子どもが感電した・感電しそうになった経験がある500人にアンケート調査を行っています。その結果、「約7割の保護者が、子どもが感電した(しそうになった)際に近くにいました」。危険性については「『非常に危険だと思っていた』及び『やや危険だと思っていた』と回答した人が多くみられました」とされています。

感電した(しそうになった)時の環境で最も多かった回答は「コンセントが子どもの手の届く位置にあった」(52.6%)でした。次いで「コンセントカバーやシャッターが付いていないコンセントを使用していた」(41.4%)、「延長コード・タップを使用していた」(26.8%)、「電源コードが垂れていた/露出していた」(16.8%)が続きます。見守りだけに頼らず、環境そのものを変える視点が欠かせません。

参考:国民生活センター 報告書本文

コンセント周りでできる3つの対策

国民生活センターの専門家は、「子どもは予測できない行動をとる」という前提で対策を考えることが重要だとコメントしています。消費者へのアドバイスでは「子どもが触れにくい環境を整えましょう」「保護者による見守りに加え、安全教育を行いましょう」「コンセントまわりの安全対策を行いましょう」の3つを紹介しています。危ない場所・状況と、やる対策を表にまとめました。

危ない場所・状況 やる対策
コンセントが子どもの手の届く高さにある 家具で隙間をふさぐ、安全用品を使う。配線の位置を変えるなら電気工事士に相談する
ヘアピン・鍵・金属製の小物が身近にある 子どもの手の届かない場所にまとめて保管する
延長コード・電源タップを使っている 束ねずに使い、つないだ家電の合計アンペアをコードの定格電流内に収める(次の章で詳しく)
電源コードが垂れている・露出している 配線をまとめて固定し、放置しない
USB充電ケーブルの端子に子どもが興味を示す 使い終えたらコンセントから抜き、子どもの手の届かない場所に置く

コンセントの穴に物を入れてはいけないこと。電源プラグの抜き差しを子どもだけで行わないこと。子どもの成長に応じて、繰り返し伝えていきましょう。保護者が電源プラグを扱う様子を見て興味を持つこともあるので、大人自身の行動にも気をつけたいところです。

参考:国民生活センター 報告書本文

延長コードのたこ足配線もコンセントと同じ注意を

コンセント本体だけでなく、延長コードや電源タップの使い方にも注意が必要です。冬は暖房器具や加湿器が増え、コンセントの使用口が足りなくなりがちな季節でもあります。

NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)が公表した事例では、「定格電流10Aの延長コードでテレビ、電子レンジ、電気ポットなど10Aを超えるたこ足配線で使用していました」。「また、コードを束ねた状態で使っていたため、束ねた部分が発熱・発火して周辺に燃え広がったものです」という事故が報告されています。

NITEの再現実験では、「定格電流が7Aの延長コードを束ねた状態にして、1300W(13A)のホットプレートを使用しました」。すると、「約25分後に束ねたコードの部分が180度に達し、発火しました」とのことです。

家電の例 アンペアの目安
ヘアードライヤー 12A
電子レンジ(30Lクラス) 15A
アイロン 14A
IHジャー炊飯器(5.5合・炊飯時) 13A
掃除機(強) 10A
ホットプレート(NITEの再現実験で使用) 1300W(13A)

東京電力の目安表は「100Wで1A、1,000W(1kW)で10A」と換算しています(100Vの場合)。いずれも「各電気機器を使用した場合の想定値」で、実際の数値は取扱説明書で確認してください。

延長コードには定格電流が記載されています。NITEの事例に出てくるのは10Aや7Aの製品で、上の表の家電を2つ同時につなぐと超えてしまうことがあります。NITEは「コードに記載されている定格電流を超えるたこ足配線をしないでください」「コードを束ねたまま使用すると放熱が妨げられて、コードの温度が高くなります」「テーブルタップは差し込み口の数だけ電源プラグを差し込んで使用できるものではありません」と注意を呼びかけています。延長コードや配線をたどって確認する習慣は、電気が戻った直後の確認にも役立ちます。ブレーカーを戻す前の3つの確認も参考にしてください。

参考:NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)、東京電力「主な電気機器のアンペアの目安」

コンセントキャップは万能ではない

コンセントキャップをつければ安心、と考える方もいるかもしれません。ここは少し注意が必要です。

国民生活センターの専門家(一般財団法人電気安全環境研究所 理事 加藤正樹氏)は、「製品の安全機能に頼るだけでなく、子どもが危険な場所や電気製品に容易に近づけない環境を整えることが大切です」とコメントしています。「コンセントカバーなどの安全用品には一定の効果が期待できます」としながらも、それだけで安心せず、「ヘアピンや針金などの小さな金属やケーブル類を子供の手の届かないところに保管、管理すること」を勧めています。

加藤氏は、破損したり劣化したりした電源プラグやACアダプタも事故につながるおそれがあると述べています。古くなったコード類は、買い替えのタイミングで一緒に見直しておきましょう。

参考:国民生活センター 報告書本文

家の中のコンセント点検チェックリスト

今日、家の中を一周するだけで確認できる項目をまとめました。気になったところから手をつけてみてください。

チェック項目 確認
子どもの手が届く高さのコンセントに安全用品をつけているか □
使っていないコンセントの周りに不要な物を置いていないか □
延長コード・タップにつないだ家電の合計アンペアが定格電流を超えていないか □
コードを束ねたまま使っていないか □
電源コード・ACアダプタに破損や劣化がないか □
ヘアピン・鍵・金属製の小物を子どもの手の届かない場所に保管しているか □
コンセントで遊ばないことを子どもに伝えているか □

コンセント以外の電気火災対策は火災警報器は10年で交換|鳴らない原因と親の家の点検手順でも扱っています。あわせて点検しておくと、安心感が違います。

感電してしまったときの対応

もし感電やその疑いがある場面に気づいたら、あわてず次の順番で対応しましょう。

専門家(宮崎県立宮崎病院救命救急科医長 長嶺育弘先生)は、「まずブレーカーを落としたり電源プラグを抜いたりして通電を遮断し、救助者が感電しないよう安全を確保することが大切です」と述べています。そのうえで、「感電後に痛みやしびれなどの症状がみられる場合は、医療機関への相談を検討してください」としています。「意識がない、反応がない、呼吸の様子がおかしいといった場合には、速やかに119番通報を行い、必要に応じて心肺蘇生を行ってください」とも述べています。

やけどのような症状が見えなくても、電撃傷は体の内部に影響することがあります。軽く見える場合でも、念のため医療機関への相談を検討しましょう。

参考:国民生活センター 報告書本文

まとめ|コンセントの対策は「環境を変える」こと

コンセントの感電・やけど事故は、見守っているだけでは防ぎきれません。コンセントの位置や使い方を見直す、延長コードのたこ足配線をやめる、金属製の小物を手の届かない場所に置く。この3つから、無理なく始められるものを今日試してみてください。

よくある質問

Q. 子どもの感電事故はどのくらい起きていますか?

国民生活センターの調査では、2021年度以降、医療機関ネットワークに15歳以下の子どもの感電や熱傷の事例が38件寄せられ、特に9歳以下で多くみられました。事故原因は、コンセントへの金属製異物の挿入が約70%を占めています(2026年10月21日公表)。

Q. コンセントキャップをつければ安心ですか?

国民生活センターは、製品の安全機能だけに頼らず、子どもが容易に近づけない環境を整えることが大切だとしています。コンセントカバーなどの安全用品には一定の効果が期待できますが、過信せず、見守りや整理整頓と組み合わせましょう。

Q. 感電してしまったらまず何をすればいいですか?

まずブレーカーを落とすか電源プラグを抜いて通電を遮断し、助ける人が感電しないよう安全を確保します。痛みやしびれがあれば医療機関に相談し、意識がない、反応がないなど重篤な症状があれば119番通報してください。