停電が復旧したら通電火災に注意|ブレーカーを戻す前の3確認

災害が起きてしまったら

緊急時は自治体の避難情報に従ってください。

停電が復旧するときは、家の中が無人でも火が出ることがあります。これが「通電火災」です。防ぐ方法はシンプルで、避難や外出の前にブレーカーを落としておくこと、そして戻す前に3つ確認すること。この2つだけです。

通電火災とは何か|こわいのは「時間差」

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イメージ(AI生成)

通電火災とは、地震や台風で停電したあと、電気が復旧した瞬間に出火する火災のことです。消防庁は、地震に伴う大規模で長時間の停電のあと、復旧後の再通電時に出火する「通電火災」の発生を懸念しており、住民が避難所などへ避難していて初期消火ができないおそれがあると指摘しています。

内閣府の阪神・淡路大震災の教訓資料では、地震が原因とみられる火災は計285件発生し、原因が判明したもののうち最も多かったのは電気機器等が関係する火災でした。しかも地震の数時間後や翌日以降に多く、その多くは避難中の留守宅などで送電回復に伴って起き、初期消火されないまま広がったと指摘されています。東日本大震災の本震による火災でも、原因が特定されたもののうち過半数が電気に起因していました。

揺れがおさまって「火は出なかった」と思ったあとに火が出る。この時間差が通電火災のこわいところです。逆にいえば、手順さえ知っていれば防げる火災でもあります。

参考:内閣府防災「阪神・淡路大震災教訓情報資料集【04】火災の発生と延焼拡大」

なぜ火が出るのか|3つのメカニズム

消防庁は、想定される通電火災のしくみを次の3つに整理しています。

起きること なぜ火が出るか
家具が倒れて配線を傷める 転倒した家具の下敷きになって損傷した配線に再通電し、発熱・発火する
カーテンや洗濯物がヒーターに落ちる 落下した可燃物がヒーターに接触した状態で再通電し、着火する
ヒーターや照明が倒れる 転倒したヒーターや白熱灯などが可燃物に接触した状態で再通電し、着火する

参考:総務省消防庁「令和2年版 消防白書」コラム 地震火災対策について

3つに共通しているのは、スイッチが入ったままの家電と、その上や近くにある燃えるものという組み合わせです。停電中は何も起きないので気づけません。電気が戻った瞬間に、その組み合わせが一斉に動き出します。

ブレーカーを戻す前の3確認

電気が復旧したあと、あるいは避難先から自宅に戻ったときの手順です。あわてず順番に進めてください。

順番 確認すること やること
①家電のスイッチとプラグ スイッチが入ったままの家電がないか。特に電気ストーブ・アイロン・ドライヤー・こたつ スイッチを切り、電源プラグをコンセントから抜く
②機器の破損と周囲の可燃物 家電に割れ・つぶれ・コードの傷がないか。上や近くに紙・布・カーテンが落ちていないか 破損した機器は使わない。可燃物をどかしてから通電する
③通電後の煙・におい ブレーカーを戻したあと、焦げくささ・煙・異音がないか しばらくそばで様子を見る。異常があればすぐブレーカーを落とす

消防庁も、電気やガスの復旧後・避難所などから戻ったときには「機器に破損がないこと、近くに燃えやすいものがないことを確認する」「再通電後はしばらく電化製品に異常(煙、におい)がないか注意を払う」としています。①と②を先に済ませ、③を見届けるまでが1セットだと考えてください。

水につかった家電は通電しない

台風や豪雨のあとで注意したいのが、水にぬれた家電です。製品評価技術基盤機構(NITE)は、雨漏りや浸水で水がかかった・水に浸かった家電製品は、内部に水が残っていたり、泥や塩分などの異物が付着していたりすることで火災を引き起こすことがあるとして、そのまま使用しないよう呼びかけています。慎重に動作確認を行い、異常があれば直ちに使用を中止してメーカーや販売店に相談してください。

見た目が乾いていても中は乾いていません。「動くかどうか試してみる」がいちばん危ない行為になります。エアコンの室外機や給湯器のように屋外にある機器も同じで、判断がつかないときはメーカーや販売店に確認してから通電しましょう。

参考:製品評価技術基盤機構(NITE)「浸水した家電製品から発火」

なお、分電盤や屋内配線そのものが水につかった場合は、自分で判断せず電力会社や電気工事業者に相談してください。配線や分電盤に手を入れる作業は有資格者による工事が必要です。

停電した「その時」にやっておくこと

3確認は復旧側の話ですが、防ぎやすさは停電した時点の行動でほぼ決まります。消防庁が挙げている地震直後の行動は次の3つです。

タイミング やること
停電した直後 電化製品のスイッチを切り、電源プラグをコンセントから抜く
停電した直後 石油ストーブやファンヒーターからの油漏れがないか確認する
家を離れるとき 避難するときはブレーカーを落とす

「ブレーカーを落とす」は一手間ですが、通電火災はこれだけで大きく減らせます。旅行や帰省で長く家を空けるときも同じ考え方が使えます。

とはいえ、地震で家を飛び出すときにブレーカーまで気が回らないこともあります。それを自動でやってくれるのが感震ブレーカーです。設置の考え方と自治体の補助金の探し方は別記事にまとめています。

よくある質問

Q. 停電のあいだ、ブレーカーは落としておくべきですか?

家にいる場合は必ずしも落とす必要はありませんが、家電のスイッチを切ってプラグを抜いておくと安全です。避難する・家を離れるときは落としてください。冷蔵庫も止まりますが、扉を開けなければ中の冷気はしばらく保たれます。

Q. ブレーカーを戻したあと、どのくらい様子を見ればいいですか?

時間の決まりはありませんが、戻したあとすぐその場を離れないことが大切です。煙・焦げくささ・異音がないか確認し、部屋を一通り見て回るくらいの時間はそばにいてください。異常を感じたらすぐにブレーカーを落とします。

Q. 部屋が真っ暗で確認できないときはどうすればいいですか?

懐中電灯やランタンで手元を照らして確認します。無理に暗いまま通電すると、倒れた家電や落ちた可燃物を見落とします。確認できる明るさが確保できるまで、ブレーカーは戻さないほうが安全です。

まとめ|チェックリスト

チェック項目
停電したら家電のスイッチを切り、プラグを抜いた
家を離れるときにブレーカーを落とした
戻す前に、機器の破損と周囲の可燃物を確認した
通電後、煙・においがないかしばらく様子を見た
水につかった家電は通電せず、メーカー・販売店に相談した

通電火災は、起きてしまうと留守宅で誰にも気づかれずに広がります。逆に、手順を知っている人にとっては防ぎやすい火災でもあります。避難のときにブレーカーをひとつ落とす。戻すときに3つ確認する。これだけ覚えておけば大丈夫です。

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