「害虫駆除 500円〜」という広告を見て連絡したら、作業後に十数万円を請求された——。国民生活センターにこうした相談が相次いでいます。手口のパターンと、依頼前の見分け方、その場で使える断り方のセリフ例をまとめました。
公表されている事例|「500円〜」の実態

国民生活センターの見守り新鮮情報 第546号(2026年7月23日公表)は「ネットの価格と全然違う!?害虫駆除サービスのトラブルに注意」を取り上げています。80歳代の方が、ネットで「500円〜」と表示していた蜂の巣駆除の業者に連絡したところ、見積り額を示されないまま作業が進み、終わってから約15万円を請求されたという相談事例です。
国民生活センターが2025年3月4日に公表した「【広告の格安料金に要注意!】作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」でも、似た構図の相談が確認できます。スマートフォンで「約500円〜」と表示していた業者に電話し、訪問した作業員に点検と薬剤の噴射をしてもらったあと、「室内全体の燻蒸(くんじょう)作業が必要」などと言われて約20万円を請求された事例。もうひとつは、「基本料金約500円、追加料金なし」と書かれたサイトに電話したところ「基本料金は約5,000円」と言われ、作業中に「卵もあった」「放置すると増える」と説得されて、総額約15万円を提示された事例です。
この種の注意喚起は毎年のように出ており、号数や公表年が情報源によって混ざりやすいところです。ここでは国民生活センターが公表した内容として確認できたものだけを載せています。
なぜ「500円〜」が数十万円になるのか
広告の価格は、多くの場合「最も安いケースの下限」か「作業の一部だけの料金」です。現場を見ないと、巣の大きさ・被害範囲・使う薬剤の量は決まりません。ここに、次のような加算が重なっていきます。
点検料・出張料が広告価格に含まれていない/「思ったより被害が大きい」と追加作業を提案される/燻煙や消毒などのオプションが積み上がる、というのが典型の流れです。契約前に総額の見積書を渡さない業者は、この時点で警戒したほうがよさそうです。
依頼前にできる見分け方
ここだけ押さえておけば、大きな失敗は避けやすくなります。
極端に安い価格表示だけで即決しない。広告の金額は現場によって大きく変わることを前提に見ます。複数社から見積もりを取る。1社だけで判断すると、相場との比較ができません。作業前に総額の書面見積もりを求める。「だいたいこのくらい」という口頭の説明だけで作業させないことが大切です。不安をあおる言い方をする業者には注意する。「今すぐやらないと被害が広がる」といった急かし方は、契約を急がせる典型的なパターンです。
訪問後・作業中に使える断り方のセリフ実例
その場で判断に迷ったときに使える言い方です。丁寧に、でもはっきり伝えることがポイントです。
「総額の見積書をいただいてから検討します。今日は契約しません」
「家族に相談してから決めたいので、いったん持ち帰らせてください」
「提示された金額に納得できないので、これ以上の作業はお断りします」
「他社にも見積もりを依頼しているので、比較してから連絡します」
作業を始められてしまった、提示額と違う金額を請求されている、という状況でも、その場で全額を支払う前に一度立ち止まることはできます。
支払ってしまった・契約してしまったあとは
訪問販売や電話勧誘で契約した場合、一定期間内であればクーリング・オフ(無条件解約)ができる可能性があります。ただし、対象になるかどうかは契約の形態や状況によって変わるため、個別の判断はご自身だけで抱え込まず、消費生活センターに相談することをおすすめします。特定の事業者名を挙げて「詐欺」「悪質」と決めつけることは避け、「こういう手口が報告されている」という事実として捉えるのが安全です。
よくある質問
Q. 広告の「500円〜」表示自体は違法ではないのですか?
A. 表示そのものが直ちに違法とは限りません。ただし、現場の状況で料金が大きく変わることは珍しくないため、広告の金額だけで総額を判断しないことが大切です。
Q. 作業後に高額請求されたら、その場で払うしかないですか?
A. その場で全額を支払う前に、一度持ち帰って検討したいと伝えることはできます。納得できない請求は、消費生活センターに相談してから対応を決めても遅くありません。
参考:国民生活センター「見守り新鮮情報 第546号 ネットの価格と全然違う!?害虫駆除サービスのトラブルに注意」(2026年7月23日公表)/国民生活センター「【広告の格安料金に要注意!】作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」(発表情報・2025年3月4日)
あわせて読みたい
「500円〜」の広告は入口にすぎません。総額の見積もりを取り、その場で決めない。これだけで、多くのトラブルは避けられます。困ったときは一人で判断せず、消費者ホットライン188(いやや)へ相談してください。


